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Toddler Class

乳児教育の理念と特徴

Kidney Bean 乳児教育の理念と特徴

★ 臨床教育心理学って? それがベースになる意味は?


少し難しく聞こえるかもしれませんが、私たちは臨床教育心理学という人間学の基礎をベースに学びつつ、保育、乳児教育の実践を具体化していくことを常に原則としています。

臨床心理学は、「科学、理論、実践、を統合して、人間行動の適応調整や人格的成長を促進し、さらには不適応、障害、苦悩の成り立ちを研究し、問題を予測し、そして問題を軽減、解消することを目指す学問である。」とされていますが、乳幼児の保育、教育においても『子ども一人ひとりの固有の人格を尊重し、人間としての成長、発達を真に保障する』ためには、こうした人間発達についての理解と実践が結びついた専門的な知識と技術が必要です。

たとえば・・・。
現在の子どもは誕生時からテレビがある生活です。その影響についての、ある評論から考えてみます。
「保育園でクレヨンしんちゃん化した子どもに『くそばばあ』って呼ばれて、落ち込んでいたお母さんがいたんです。その子は、しんちゃんが『くそばばあ』って言うときのシチュエーションはテレビで学習したかもしれないけれど、その言葉がどういうふうに人の心に響くのかとか、それが自分にどうもどってくるのか、自分がどうみられるのか、ということはわかっていない。そこまではテレビでは学べない。」(久田恵 母の友565号 福音館書店 2000)

 では、どこで学ぶことになるのか。どのように教えていくべきか。また、テレビの影響をどのように位置づけていけばよいか。

乳幼児の保育、教育を担う専門家として、その人なりの見解が求められるであろうと思います。

 しかし、その「問題」への理解や見解は個人的な経験や感情に頼ったものでなく、多角的な視点や知識にもとづいて吟味されることが必要です。そうした意味では、常に一人ひとりの保育者も実践者であると同時に学習者であることが求められます。

 なぜなら、乳幼児の保育は子どもと実践者(保育者)の関わりそのものが、そのまま活動の中心になっていること、更に基本的生活習慣などの、既知の知識や技術を子どもに教える上でも、保育者と子どもの関係が重要な要素になること(人的環境)、また、乳幼児にとって、何かを身につけ、わかるという経過の中では大変なエネルギーを必要とし、その大部分が「大人」(ここでは保育者)という存在の、きめ細かな世話と支えが不可欠であることを考えると、単なる保育学や保育技術に留まらず、人間学としての深まりと広がりを得るべく、私たち保育者自身が学び成長していくことが求められます。

 実際、幼稚園教育指導要領や保育所保育指針においても、「環境を通しての保育」「子どもの主体的活動」「遊びを通しての総合的指導」「発達相互の関連性の重視」「乳幼児の豊かな心情を育てる保育」「主体性や自立心を育てる」「人と関わる力、社会性を育てる」など、保育者が留意し、担うべき方向性、求められる専門性は、まさしく総合的な理論にもとづく臨床そのものです。

 私たちは、「〜主義」や「〜遊びをする」という保育の仕方ではなく、私たち自身大人も含めた人間の総合的発達を目指す具体的な保育実践を展開していくことを保育室の存在意義だと考えています。


★ 一人ひとりの人格を尊重する保育とは?


 どこの保育の場でも「一人ひとりを大切にする」ということは、スローガンのように皆が言います。それが保育の基本である、と言われているにもかかわらず、その内容はバラバラであり曖昧で、具体的には見えてこないのが現状です。

 特に、保育園という集団の中で個をどう位置づけるか、など保育者の姿勢によって「どう個人を尊重するか」の形は違っていきます。

 しかし、集団と個を対立させるのではなく、両立させ、具体化していくことが保育の専門性であり、「環境による保育」の一環です。

 乳児期という子どもの年齢が小さい時ほど、適応が難しく、発達の個人差も大きいので、家庭的な小集団の中で、親密な絆のある人間関係を結ぶことが大切です。

子どもにとって保育室が家庭と大きく異なる集団ではなく、それに似た、大人(保育者)との1対1の関係を結ぶことによって、子どもは大切にされていると感じ、より幸せな人間関係の基礎を築くことができるのだと思います。

 ですから乳児期は、特に一定の保育者が、一貫した育児の世話をすることが子どもに安定感を与え、大人への信頼感を育てます。(当保育室では育児担当制をとっています)

育児の世話も、まず、あるがままの子どもの姿を受け入れ、徐々に集団の日課(個人差に対応できる幅をもった時間の日課であることが重要です。)へと、すすめていくような、一人ひとりの子どもにきめ細かな配慮をしていく必要があります。それが、大人の示す子どもを尊重する姿勢だと言えるでしょう。十羽一からげの一斉保育は集団の良さを生かせず、一人ひとりの子どもを満たすことにはつながらないと考えます。

 たとえば、十分な世話をするための集団と大人の人数も、「9人を3人で」ではなく、『3人を1人の保育者で』というシステムが必要です。

 こうして、小集団の中で相互のいうことを聞いたり伝えたりの基本ができて、人との相互の信頼関係を学んでいれば、成長につれて、より広い集団関係を結ぶことが可能になります。子どもは集団の中で「自分」を大切にされた貴重な経験を通してしか、他の子や集団を大切にしたいという気持ちが育ちにくいものです。


★ 子どもの遊びを大切にする理由


 遊びは、子どもの生活の大部分を占める行為です。起きている間は、ほとんど遊んでいる時間だといってもよいでしょう。

ですから、「遊べない子」を私たちは心配します。

 遊びを大事にする理由のひとつは、子どもの発達の諸側面を促す、主要な行為だからです。小さな子どもが、遊び以外で大人の介入や援助を受けないですむことはありませんが、遊びは、子どもが大人に多くの干渉をうけずに、自分なりに楽しみ、振舞うことができる、大人からの独立!が実現できる分野だとも言えるでしょう。

 2つ目は、子どもの人格や能力の発達に大きく影響を与えるからです。遊びの中で子どもは、楽しみのために、より多くの知恵と努力を傾けて、真剣に何かをしようとする意欲や態度を身に付けていきます。

 どんなに小さい子どもの遊びの中にも、より多様に、物を扱い、ためし、新しい機能を発見し、工夫して遊ぼうとする知的な態度と、集中力、意志力を見ることができます。

 たとえば、紐とおしをしている子どもは、成功するまで忍耐強く、繰り返し行っています。その姿に義務感はなく、通し終えた時の喜び、楽しみのために、あるいはプロセスそのものが面白くて、自発的に努力している姿があります。

たくさん遊ぶ子どもほど、こうした態度を練習し、身に付けていくといえましょう。

 子どものよい遊びは、良い仕事と同じ意味を持つと考えます。『より良い遊びには、仕事の努力と思考の努力がある』と言われるように、よい遊びほど、人格に働きかける力が強いのです。

遊びは、知的な能力も育てます。それは観察力とか、記憶力、思考力、比較したり判断したりする力、言葉の発達も促します。

他方、生理的な面でも、遊びによる充足感が身体の臓器や分泌、血行の働きを活性化することによって、より健康な、いわゆる活気のある、身体のより巧みな運動をも発達させていきます。

こうした諸能力の発達が遊びを高め、遊ぶことで諸能力が発達する循環関係が得られます。
乳児は、遊びを通して主に物にかかわる力をつけ、その基盤や背後に大人との関係があり、年齢が高まるにつれて遊びの中で友達にかかわる力も学習し、育てられていきます。
そして乳児期から学童期にかけて、友達との遊びが、必要不可欠な存在になるのです。
 つまり、一生を通しての人間関係の基礎をつちかうのが幼い頃からの遊びだといえます。
それだけに、保育する上で、成長の助けとなる、よりよい遊びをたくさんしてほしいとか、遊びの指導のあり方について、「より子どもにふさわしいこと、方法はなにか?」を、おのずと重大なこととしてとりあげるわけです。


★ 保育者の学習・研修を重視し、保育者間の力量を高める努力を!



 Kidney Beanのスタッフは、基本的に常勤です。曜日や時間別に大人が入れ替わったり、子どもの担当が日替わりで行われることがないように体制を組んでいます。

 週末ノートがあります。子どもの発達や現在の様子を記録し、保護者の方々と相互に情報交換するものを大事にしていますが、いわゆる「連絡帳」はありません。

日々の保育・教育活動の中で、「書くこと」を目的にするのではなく、子どもと向き合う仕事を重視しています。

 毎日の、その日にあったこと、子どもの様子などは朝、夕、必ず常勤スタッフがおりますので、直接、送り迎えのときお顔を合わせてお話することにしています。こうしたコミュニケーションを大事にするところから、子どもとの生活は親も保育者も成り立っていくと考えています。

 スタッフは、様々な研修と、園内での学習会で専門性を高める学びをしています。

特に、「なぜ、保育という仕事をするのか?」という自己認識も大事にしています。

『保育は人的環境によるところが大きい』という意味を互いに自覚できる保育者集団でありたいと願っています。個々の問題であり、しかし、子どもへの共通した責任と影響力をもつ大人同士として、各人できるだけ、自らを保育・教育に向かわせるものはなにか?について考えを深めていくことを互いに意識できる雰囲気を大切にしています。

 保育において必要な材料(遊具や教材だけではなく、生活に必要な道具類も)は、できる限り保育室で用意し、管理しています。

なぜなら、家庭への負担軽減だけではなく、「子どものために準備し、環境を整えるプロセスから」保育者は意識する必要があるからです。

 当たり前のことを、「いつも同じように」できる力量をつけていく、保育者の訓練でもあります。それは保育者にとって、そのまま保育の中で「子どもに育てたい、心情、意欲、態度」という、保育の目的をたどる作業でもあります。その上で、信頼にたる、安定した保育サービスも供給していけると考えています。

頭も、心も、身体も、その子の能力を存分に発揮できる、保育の質を大切に実践する乳児教育の場です!


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